前回、次回が最終回になるだろうと書きましたが、少し長くなりましたので更に少し続けます。
今回からは携帯の未来。まずはオープンソース携帯として注目を集めるOpenMokoについて。
OpenMokoはLinuxとipkgを用いたオープンソース(正確にはFLOSS)の携帯端末です。
プロジェクト1号機として"Neo1973"が既に発表されていて、今年の3月11日にはUS$350で一般発売される予定になっています。

今年の初めに発表されたiPhoneは本当に衝撃的でしたが、実はそれに先駆けて昨年の11月にはiPhone同様の「フルタッチパネルのスマートフォン」としてOpenMokoのNeo1973は発表されていました。
洗練されたフォルムと美しいインターフェースはiPhoneのそれと比べても全く遜色ありませんが、何よりも魅力的なのはこれがオープンソースである点です。
iPhoneのアプリケーションはAppleと提携した業者しか開発することができませんが、OpenMokoにおいては誰もがアプリケーションの開発者になることができます。
世界中の開発者が、お互いに便利なものを無料で提供しあうのですから、うまくムーブメントに火がつけばFireFoxのExtensionsのように高機能なアプリケーションが続々と作られていく未来は容易にイメージできます。
おそらくiPhoneで実装されるような機能についても、それが良いものであればすぐにOpenMokoでも開発されると思われます。
[iPhoneとNeo1973の比較表]
| 機能 | iPhone | Neo1973 |
| 本体のサイズ | 115 x 61 x 11.6 mm | 120.7 x 62 x 18.5 mm |
| 画面サイズ | 3.5" 320x480 at 160 ppi | 2.8" 480x640 at 285 ppi |
| HDD | 4GB/8GB | 64MB (2GBまで拡張可能) |
| OS | OS X | OpenMoko Linux |
| アプリケーション開発 | 提携企業のみ | 誰でも開発可能 |
| 動画 | 再生のみ | 再生のみ |
| 音声 | 再生、録音 | 再生、録音 |
| USB | 2.0 | 1.1 |
| バッテリー | 通話、動画再生 5時間 音楽再生 16時間 | 1200-mAh |
| 発売 | アメリカ:2007年6月 ヨーロッパ:2007年末 アジア:2008年 | 限定発売:2007年2月11日 世界発売:2007年3月11日 小売開始:2007年9月11日 |
| 価格 | US$ 499(4GB版) | US$ 350 |
ハード的には、現時点ではiPhoneがやはりリードしています。
Neo1973はVGAスクリーンを実装していますが、タッチパネルとしての要素で見るとmulti-touchを導入しているiPhoneの方が楽しみではあります。(これについては、近い将来にOpenMoko端末においても実装される可能性があるようです→ML)
ディスク容量においてはiPodで長年の蓄積があるiPhoneが圧倒していて、出足としてはブランド力も含めてiPhoneが断然有利。Neo1973を含めたOpenMokoは一部のマニアやギークが支えることになるでしょう。
しかし将来的には、丁度IEに対するFireFoxのように開発速度やカスタマイズ性でOpenMokoがヘヴィユーザを掴んで行くことになるのではないでしょうか。
特に携帯端末は四六時中手元にある、非常に個人的なものです。「自分だけの」というフレーズは、強力な魅力を与えるでしょう。ハードウェア的な劣勢も、需要が高まって市場がこなれてくれば解消されてくるはずです。
実際、今年に入ってからVodafoneも自社携帯端末のオープンソースコミュニティーとしてBetavineプロジェクトを立ち上げていますし、1月26日にはDoCoMoが中心となってLinuxベースの携帯プラットフォーム普及を目指す団体LiMo Foundationの設立を発表しています。(「世界で初めて」というフレーズが付いていますが、これは「推進することを目的とした団体」にかかっているんでしょうか?)
ちなみにNeo1973とは、Marty Cooper博士が携帯電話を発明した1973年にかけており、まさに「携帯新世紀」を意味しています。
このように携帯端末上のアプリケーションの門戸がオープンソースに開かれてくると、携帯検索市場もまた劇的に変化するでしょう。
「勝手サイトも検索できるようになった」などというレベルではなく、キャリアのコントロールを完全に離れた検索が可能になりますし、サイトもPCのそれと区別して作る必要はほとんど無くなってきます。
後で振り返った時に、現在の「携帯専用のサイトが乱立し、それらをキャリアの制御する検索エンジンで検索する時代」というのは、永く続いた「限られたキャリアが全てを支配した時代」と、すぐにも到来する「PCと変わらないサイトを普通に閲覧、検索できる時代」との、非常に短命な端境期と位置づけられるのかもしれません。
最後になりましたが、OpenMokoの通信システムはGSM(Global System for Mobile Communications)を用いています。
これは第二世代携帯の方式ですが世界210ヶ国以上で採用されており、アジアでは日本と韓国を除くほとんど全ての国で使えます。
つまり日本は、OpenMokoが使えない世界でも数少ない国になるわけです...W-CDMAなどへの対応を期待して待ちましょう。



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