人が沢山の物の中から何を手にとって見るかを決める際、「見た目」は非常に大きな要素になります。
ショーウィンドウに趣向を凝らしたディスプレイをするのも、本屋でカヴァーが平積みになっているのも、食堂のメニューに美味しそうな写真が載っているのも、異性にアピールするために着飾ったり化粧をするのも、全てはまず本質を評価してもらうためにピックアップしてもらえるようにです。(極論?)
世の中にある無数のサイト群から、閲覧するサイトを選ぶ際にも同様のことが言えます。
だから人はテキストリンクよりも画像(可能ならばflashなど)のバナーを出したがりますし、例えばリンク先のサムネイルを閲覧できるようなFireFoxのプラグインが人気を集めたりしています。
ロゴは小さいですが、大きな可能性を感じさせるサイトです。
ここまでに紹介したHakiaとChaChaは、自然言語や検索ガイドとのコミュニケーションを主題にしたものだったので、例えば日本人が母国語で直感的に良さを実感しにくいものだったかもしれません。
「視覚」を中心に置いたSnapが、最も世界的に受け入れられ易いサービスと言えるでしょうか。
まずは検索窓にキーワードを入力します。
インクリメンタルにサジェストが出ますが、もう特に目新しくは無いですね。
そして検索を実行。結果欄に検索結果が一覧表示されますが、特徴的なのはその右側に表示されるサムネイルになります。

他の検索結果のサムネイルを見たい場合は、リストのページタイトルをクリックするとページ遷移してしまいますので余白の部分を押しましょう。かなり高速にサムネイルを閲覧することができます。
リストを上から順に見ていきたい場合、マウスのホイールか上下のカーソルキーを使うことをお勧めします。フォーカスが順に遷移していき、サムネイルも順に送られていきます。
スニペットなどから興味を惹くサイトかどうかを確認する従来の検索エンジンの動作と同時に、サムネイルでページの見栄えも同様に判断基準にすることができます。
また、このサムネイルをクリックした際の動作を、ページ遷移ではなくフレーム内での遷移に変えることも出来ます。
ページ右上の「settings」をクリックして、「Click to Open Results」を「Inside Snap」に変えます。
すると、サイトにページ丸ごと遷移するのではなくサムネイルがフレームになってその場で操作できるようになります。

これが意外と便利で、スニペットだけでは必要な情報かどうかわからない場合など、タブブラウザでCtrlを押しながらページを開いたりせずとも簡単に検索結果を維持しつつ内容を確認することができます。
正直なところ、発想としてはそれほど新しいものではないかもしれません。
が、このサービスには3つのアドバンテージを感じます。
1. 昨今の検索は、漠然としたキーワードではなくサイト名などを直接入力するのが主流になっています。
これはつまりブックマークがあまり使われなくなり、代わりに検索エンジンで目的の「情報を」ではなく「サイトを」探すユーザが増えているということでしょう。
サムネイルで探すことができるSnapは、そういった要望に沿い易いサイトと言えそうです。
2. GoogleやYahoo!などと異なり、PPCではなくCPA型の広告モデルを掲げています。
これにより、無理に広告主の検索結果を押し上げなくともコストと効果のバランスがとり易くなり、よりエンドユーザの要望に近づいた広告モデルとなれる可能性を感じます。
「コストパフォーマンスは多少目をつぶるので、とにかくインプレッションとクリックが欲しい」という広告主の要望には応えにくくなってしまいますので、どうしても薄利多売式になってしまうとは思いますが。
とはいえ、FAQにもありますが広告主のランクチューニングは行われてはいるようです。実際に例示した「Deep Purple」の検索結果でも2番目にsponseredサイトが挙がっていましたが、明らかに前後のものと比べて欲しい結果にマッチしないサイトでした。
調整に課題は残りますが、「広告を最優先にするよりも、ユーザに良い検索体験をさせてへヴィユーザになってもらう」という姿勢は好感が持てます。
3. SPA(Snap Preview Anywhere)によって、サイトを実際に訪れなくてもユーザにリーチできる可能性を持っています。
これはGoogleがGoogle Mapsで取った戦略に近いですが、取り込みの容易さと広告モデルとの親和性の高さから、一気にブレイクする可能性を秘めていると思います。
これについては若干長くなったので、別のところで書くことにします。
幾つか検索している中には、例えば効果測定用にリダイレクトを行っているページが真っ白いサムネイルになってしまっていたり、リニューアルについていけずに古いスナップが載っていたりと、問題もまだまだありそうです。
「視覚」を中心に置くことは本質であるコンテンツから目をそらしてしまう結果にもなりかねませんが、サムネイルを見せることにより細かい検索順位がそれほど大きな意味を持たなくなれば、SEOに心血を注ぐよりもサイトのデザインをブラッシュアップすることの方が重要になって来るでしょう。それは、より健全な方向と言えるのではないでしょうか。


コメント